税務関連関連の実務への影響

執筆者:小島 孝子(税理士)

行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律が成立し、いよいよ平成28年よりマイナンバー制度が開始されます。私たちの生活を便利にするマイナンバー。しかし、個人や法人の所得情報に関わる税務の分野では、その運用には注意が必要な部分もありますので、マイナンバーの運用における税務上の運用に関する注意点について確認していきましょう。

マイナンバーによって何が変わるの?

マイナンバーは、複数の機関に存在する個人の情報が同一人の情報であることを確認するために活用されるため、行政を効率化し、国民の利便性を高め、公平、公正な社会を実現することが期待されています。

公平・公正な社会の実現

所得や他の行政サービスの受給状況を把握しやすくなるため、脱税や給付金等の不正受給の防止につながります。

国民の利便性の向上

添付書類の削減などにより、行政手続が簡素化され、事務負担が軽減されます。確定申告の際の煩わしい書類の収集から解放されることが期待できます。また、行政機関が持っている自分の情報を確認することも可能です。

行政の効率化

行政機関や地方公共団体などでは、複数の業務の間での連携が進み、様々な情報の照合、転記、入力などに要している労力の大幅な削減が期待されます。様々な行政機関で同じことを何回も聞かれるようなことがなくなるかもしれません。

マイナンバーはいつから始まるの?

国の税に関するマイナンバーの運用は平成28年1月から開始されます。適用当初、事業者においては、これらを積極的に利用する利便性よりも、申告書などの提出資料にマイナンバーを記載し、提出するという事務処理面での煩雑さを痛感する局面が多くなることが予想されます。

マイナンバーの記載は義務化されるため、原則として対象となるすべての書類への記載が必要です。そこで、適用開始時に混乱しないよう、今後のスケジュールを確認していきましょう。

番号の通知と申告書等への記載時期

マイナンバーは、すべての国民に付された個人番号とすべての法人に付された法人番号の2種類があり、平成27年10月以降、順次番号を付された通知カードが配布されます。各税務関係書類への記載時期は次のとおりです。

  記載対象 一般的な場合の適用初年度の申告時期
所得税 平成28年分から 平成29年2月16日から3月15日まで
贈与税 平成28年分から 平成29年3月1日から3月15日まで
法人税 平成28年1月1日以降に開始する事業年度に係る申告書から 12月末決算法人から適用
例)平成28年分の申告
⇒平成29年2月28日まで
(延長法人は平成29年3月31日まで)
消費税 平成28年1月1日以降に開始する課税期間に係る申告書から <個人>
平成28年分の場合⇒
平成29年1月1日から3月31日まで
<法人>
平成28年12月末決算の場合⇒
平成29年2月28日まで
相続税 平成28年1月1日以降の相続又は遺贈に係る申告書から 平成28年1月1日に相続があったことを知った場合⇒
平成28年11月1日まで
法定調書 平成28年1月1日以降の金銭等の支払等に係る法定調書から 例)平成28年分給与所得の源泉徴収票、平成28年分特定口座年間取引報告書⇒平成29年1月31日まで
※平成28年中に退職した者などの28年分の源泉徴収票にもマイナンバーの記載が必要です。
各種申請書・届出書 平成28年1月1日以降に提出すべき申請書等から 各税法に規定する、提出すべき期限

必要な情報は家族全員分。従業員に対する事前告知を!

マイナンバーは、従業員本人に関する番号だけでなく、扶養者の番号も必要になります。扶養者本人の所得情報が個人のマイナンバーの情報に集約されるため、扶養の要件を確認するために必要となるからです。

そのため、通知カードを配られる前に従業員ひとりひとりに対して、その家族を含めたカード管理の周知徹底を図るよう事業者自身が指導できるよう心掛ける必要があります。マイナンバーの管理に関しては事業者に罰則を含めた重大な責任が負わされていることからもマイナンバーの趣旨を理解し、指導することが事業者自身に求められるのです。

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