マイナンバーとは

執筆者:影島 広泰(弁護士)

2016年1月から「社会保障・税番号制度」(マイナンバー制度)が実施されます。マイナンバー制度においては、住民票を有する全ての個人に「個人番号」が与えられ、主として「社会保障」と「税」の2つの分野の行政手続においてが利用されることになります(法人には「法人番号」が付与されます)。

特定個人情報とは

マイナンバー法により、新しく「特定個人情報」という概念が生まれました。特定個人情報とは、その内容に個人番号を含む個人情報をいいます。氏名・住所・電話番号などの個人情報に、個人番号が合わさったものです。

個人情報+個人番号=特定個人情報

個人番号・特定個人情報の取扱い

個人番号の利用目的は、マイナンバー法9条に限定列挙されており、同条に記載された以外の目的で個人番号を利用することは違法です。民間企業は、原則として個人番号を記載した書面を行政機関等に提出する場面でのみ、個人番号を利用できます 。

特定個人情報の提供に関する規制

特定個人情報の提供ができる場面もマイナンバー法19条に限定列挙されており、民間企業は、原則として個人番号を記載した書面を行政機関等に提出するために必要な場合にのみ、特定個人情報を第三者に提供できます。

個人番号の提供の要求、特定個人情報の収集・保管の制限

マイナンバー法19条により特定個人情報の提供を受けることができる場面以外では、個人番号の提供を求めることや、特定個人情報を収集・保管することも禁止しています。つまり、民間企業が個人番号の提供を要求できる場面は、原則として、個人番号を記載した書面を行政機関等に提出するために必要な場合のみであり、特定個人情報を収集・保管できる場面も、個人番号を記載した書面を行政機関等に提出するために必要な場合のみです。

なお、このように、法令または条例の規定により、他人の個人番号を記載した書面の提出等する事務のことを「個人番号関係事務」と呼び、そのような事務を行う者のことを「個人番号関係事務実施者」といいます。

特定個人情報ファイル(データベース等)の作成に関する規制

特定個人情報を検索できる形で保存したもの(データベース等)のことを「特定個人情報ファイル」と呼びます。特定個人情報ファイルについても、個人番号利用事務等を処理するために必要な範囲を超えて特定個人情報ファイルを作成してはならない、つまり、個人番号を記載した書面を行政機関等に提出するために必要な範囲でのみデータベース等を作成できます。

特定個人情報について

マイナンバー法には、厳しい罰則が定められています。例えば、個人の秘密に属する事項が記録された特定個人情報ファイルを正当な理由なく第三者に提供すると、4年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金またはこれの併科となります。また、従業員等がそのような行為をした場合、法人にも罰金刑が科せられます。

主要な罰則
行為 個人情報保護法 マイナンバー法
個人番号利用事務等に従事する者又は従事していた者が、正当な理由なく、個人の秘密に属する事項が記録された特定個人情報ファイルを提供 - 4年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金又は併科
上記の者が、不正な利益を図る目的で、個人番号を提供又は盗用 - 3年以下の懲役若しくは150万円以下の罰金又は併科
委員会から命令を受けた者が、委員会の命令に違反 6月以下の懲役又は30万円以下の罰金 2年以下の懲役又は50 万円以下の罰金
委員会に対する、虚偽の報告、虚偽の資料提出、検査拒否等 30万円以下の罰金 1年以下の懲役又は50 万円以下の罰金

本人確認について

個人番号を取得する際には、必ず「本人確認」をしなければなりません。例えば、取引先等から個人番号の提供を受ける際に、必ず通知カードの写しと運転免許証等を確認しなければなりませんので、民間企業がマイナンバー法に対応した業務フローを構築する上で大きな問題となります。

本人から提供を受ける場合
番号確認   身元(実在)確認
個人番号カード 不要
通知カード 運転免許証、旅券等
住民票の写し 運転免許証、旅券等
代理人から提供を受ける場合
代理権の確認 代理人の身元(実在)確認 本人の番号確認
委任状(法定代理人の場合は戸籍謄本等) 運転免許証、旅券等 個人番号カード、通知カード、住民票の写し

安全管理措置について

民間企業が個人番号・特定個人情報を取り扱う際は、漏えい、滅失又は毀損の防止その他の個人番号の適切な管理のために必要な措置を講じなければならなりません。具体的には、特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドラインに定められた措置を講じる必要があります。

前提として、以下の①~③を明確にする

  • 個人番号を取り扱う事務の範囲
  • 特定個人情報等の範囲
  • 特定個人情報等を取り扱う事務に従事する従業者(事務取扱担当者)

その上で、以下の措置を講じる

  • 基本方針の策定
  • 取扱規程等の策定
  • 組織的安全管理措置
  • 人的安瀬管理措置
  • 物理的安全管理措置
  • 技術的安全管理措置

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